手紙

拝啓　香月慎太郎様

わかってると思うけど、これはお前への文句を したためた手紙です。最後まで読むように。 君はいつもしつこいし、年上を敬わないし、 口うるせぇし、挙げ句の果てには、「一生」とか 「絶対」とか　クソ生意気な言葉を使います。 あれ、どうにかなりませんか？ さて、君は「俺の好きなところを１０個答えろ」 とか　またわけのわからないことを言って、湊さんを 困らせたことがありましたね。 まぁ、せっかくのお誕生日なので、お望みどおり、 君の好きなところを答えてあげましょう。 まず「顔と体」　　　　なんてな。 それから、・まっすぐなところ　・素直なところ ・芯が強いところ　・他人を思いやれるところ ・自分の好きなものがはっきりしているところ ・俺が辛い時、いつもそばにいてくれたところ ・一緒にいて自然体でいられるところ ・笑うと可愛いところ これで終わったと思ったか？ ばかめ。ほかにもあるぞ。 ・家族思いなところ　・料理上手なところ ・生意気なところ　・寝てるときの無防備な顔 ・朝起きたときの力の抜けた笑顔 ・勉強してるときの真剣な目 それに、諦めずに何度も好きだって言ってくれたところ。 俺をずっとずっとしっけぇくらい好きでいてくれた ところ。あのときは言えなくてごめんな。 お前の好きなところ、いっぱいあるよ。 俺は今まで、この世の中に「一生」とか「絶対」 なんてものはどこにも存在しないと思って生きて いました。だけど今、シンとならそれができんじゃ ないかって思っちまうんだよ。 なぁ、シン。 お前さえよかったら、これからも一緒に暮らさねぇか？ 頼むから、良い返事くれよ。 お誕生日、本当におめでとう。

君より年上の湊さんより