ポケットが虹でいっぱい

交響詩篇エウレカセブン　ポケットが虹でいっぱい (2009/日)



製作 南雅彦
監督 京田知己
原作 ボンズ
撮影 木村俊也
美術 永井一男
音楽 佐藤直紀
特撮 村木靖
出演 三瓶由布子 / 名塚佳織 / 藤原啓治 / 根谷美智子 / 山崎樹範 / 小清水亜美

ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん。


テレビ版の世界とは異なるパラレルワールドで物語が展開することになる。
なのでテレビ版との比較はせずに本作をあくまで単体として考えると、何とも小さくまとまり過ぎている印象だ。
あっという間に世界が危機に陥り断片的な情報が与えられ何だか人間讃歌で解決しいつの間にか恋の力で世界は救われる。
時間や予算の制約による説明不足感は否めず、十分に情報が得られないまま物語が進む。
それが謎解きの楽しみに繋がるのは事実であるが他の楽しみがいささか少ない。
ストーリーとして純粋に楽しめるのは思わず笑ってしまうような、主人公の甘酸っぱい恋模様だけではないだろうか。
そもそもテレビアニメの劇場版の位置づけであるから、
テレビ版と比較して相違を見つけて楽しむ鑑賞が前提なのかもしれないが。
しかし、映画として観るにはやはりいささか残念な出来であると言わざるを得ない。
キャラクターやメカニックの描写はテレビ版に劣らず魅力的であるだけに非常に残念である。



from：慶應義塾大学シネマ研究会 | Criticism